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​カウンセラーの自己開示

私のホームページを訪問した方の中には、

これまで私のカウンセリングを受けたことがある方、現在受けている方、あるいは受けようか検討中の方もいらっしゃるかもしれません。

 

この記事は、

「鈴木の情報を勝手に知ってしまうことで、カウンセリングに悪い影響はないだろうか?」

と心配したり疑問に感じたりした方に向けて書いているものです。

 

結論:ご覧くださって問題ありません

 

カウンセリングの世界では、カウンセラーの「自己開示」は、しばしば慎重に扱われます。

中には、それを「全くするべきでない」と考えるカウンセラーもいます。

 

これには一理ありますし、むしろ歴史的にはそれが当然として考えられてきた面もあります。

 

例えば、カウンセラーが自分の経験やプライベートについて話しすぎると、その時点でのカウンセリングの焦点がクライエントからカウンセラーへ移ってしまいます。

 

カウンセリングはカウンセラーの欲望を満たすための時間ではありませんから、これでは不適切です。

 

※ただし、厳密にはどのカウンセラーもカウンセリングによって何らかの欲望(例:人の役に立ちたいという欲求や、専門技術を駆使する快感)を部分的に満たしていると思われます。敢えてカウンセラーという職業を選択するのにはそれなりの理由があるでしょうし。それが悪いと言いたいのではなく、むしろそうした欲望に自覚的であることがカウンセラーには必要でしょう。と、まあ、これは今回の本題ではないのでここまでにしておきます。

 

 

自己開示の内容次第では、クライエントがカウンセラーを気遣うようになったり、関係性が曖昧になったりすることもあるでしょう。

こうしたことを考えると、カウンセラーの自己開示がタブー視されるのは自然なことです。

 

その一方、「カウンセラーは自己開示をしない方がよい」と単純に考えることにも疑問が投げかけられています。

※参考 (amazonリンク)田中健史朗(2025)カウンセラーの自己開示ー迷える援助者のための羅針盤ー

 

 

例えば私が、「先生は猫を飼っているんですか?」と聞かれたとします。

「はい、飼っています」と答えることは自己開示です。

その一言によって親しみを感じる人もいるでしょうし、

特に何も感じない人もいるでしょう。

場合によっては、カウンセラーへの個人的な関心が強くなることもあるかもしれません。

 

これに対し、私が「自己開示をしない」という選択をした場合どうなるでしょうか。

 

実は、そのような場合にテンプレート的に使われるフレーズがあります。

それは、

 

「どうしてそれが気になったのでしょう?」

 

という質問返しです。

 

この質問返しをきっかけに自分の心の探求が始まり、理解が深まることもあるでしょう。

一方で、「普通に答えてくれればいいのに」と感じる人もいるかもしれません。

 

要するに、自己開示をすることにも影響があり、しないことにも影響があるのです。

 

何も、自己開示とは個人情報の開示だけの話ではありません。

 

カウンセラーがどのような髪型なのか、どのような話し方なのかも含めて、「こういう人間ですよ」という一種の自己開示です。

 

もっと言うなら、「自己開示をしない」というのもある意味では自己開示の一種でしょう。

 

 

 

ここで一つ、エピソードを紹介したいと思います。

 

 

 

私は以前、ある精神分析家から個人分析と呼ばれるものを受けていました。

 

※「カウンセラーなのにカウンセリング的なものを受けていたの?」と思った方もいるかもしれません。しかし実は、カウンセラーが精神分析やカウンセリングを受けるというのは、トレーニングの一環としてよく行われます。カウンセラーは自分の心を使って仕事をするわけですから、自分の心をより良く知っておく必要があるためです。他にも理由はあるのですが、これも本題ではないのでここまでにしておきます。

 

 

その先生は本をたくさん書いている方で、私は先生の本を何冊も読んでいました。

あるとき、ふと疑問に思いました。

「先生の本をこんなに読んでいたら、先生が分析で何を考えているのか、手の内を読んでいるようなものなのではないだろうか」

「週1日のセッションの外で本を通して先生と出会ってしまうことは、セッションの妨げとなってしまわないか」

 

そこで、実際に先生に尋ねてみました。答えはとてもシンプルでした。

 

 

「読まれて困るようなことは書いていません」

 

 

私はこの言葉が今でも印象に残っています。

 

考えてみれば、現代ではカウンセラーについて「何も知らない」状態を維持すること自体が難しくなっています。

 

カウンセラーがホームページを作れば、そこには経歴や資格、専門領域、カウンセリングについての考え方などが書かれています。

 

名前を検索すれば、論文や本、学会発表、講演など、カウンセリングとは別の場所で発信した情報が見つかることもあります。

 

ホームページを作ること自体、ある意味では自己開示でしょう。

 

 

ですから、カウンセラーが執筆や講演活動をするのなら、

それが過去・現在・未来のクライエントにどのような影響を及ぼすのかを自覚して行うべきだと思います。

 

以上が私の考えになります。

そしてこのホームページには、読まれて困るようなことは書いてないつもりです。

そのため、別の場所で私のカウンセリングを受けている方や受けていた方が、このホームページを見たとしても、「見てはいけないものを見てしまったかも」と思う必要はありませんので、ご安心いただけますと幸いです。

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